HHRRをつくる その5(最終回・レザー貼り編)
前回、見える部分の塗装をほどこしたので、次はレザーを貼っていきます。
立体物にレザーを貼るには、ウェットフォーミングという手法がいいということで、挑戦してみました。
ウェットフォーミングというと何だか大変そうに聞こえますが、革を水に浸けて柔らかくして貼り付けるだけのことです。
必要な大きさに切り出したレザーを10分ほど水に浸けておくとへにゃへにゃになるので、それをHHRRの躯体に固定します。
100均で買ってきた15mm角の角棒を、100均で買ってきたカッター形のこぎりで適当な長さに切り、100均で買ってきたクランプで躯体に固定します。手前側は先に強力両面テープで決めてしまいました。
この両面テープ、ものすごくいいです。何にでもしっかり接着できて薄く、いざとなれば剥がせます。まじで全部入りの便利さです。
裏面はこのような感じ。
レザーができるだけピンと張った状態でクランプで固定するのですが、オモテ面の写真を見るとわかるとおり、どうしても波うったりヨレが残ったりします。
でも大丈夫、染み込んだ水分が蒸発するとビシッと張ってくれます。その張力に負けないために、クランプや両面テープで各所を均等に固定する必要があるわけです。
水分が飛んでクランプを外すとこんな感じに。
躯体の形状どおりに型がつきました。(可塑性が高い、と言うそうです) この性質を利用したレザーの成型方法をウェットフォーミングと呼び、ロロマレザーはこの可塑性が特に高いとのこと。
写真で見えている切断面(コバ)はそのままにしておくと後々毛羽立ってくるので、トコフィニッシュで処理しておきます。
粘性が低くて透明な水のりみたいな感じの液体で、コバ面を保護し、磨くと艶が出る効果があります。今回は厚みがないので目立ちませんが、分厚い革の断面はこれで整える必要があるみたいです。
レザーと躯体の固定にも両面テープを使います。
うまく貼れました! テープが薄いおかげで段差はまったくありません。いい感じです。
最後に、革製品といえば鋲。ついてるとかっこいいですよね。割りピンを使ってそれらしく飾ります。
ドリルで8ヶ所穴を開け…
割りピンは足が二手に割れるようになっているので、穴に通して開き、100均のホットボンドで固定します。
見た目は良くないですが裏側ですし、マッキーで黒く塗ったらそんなに気にならなくなりました。
このあと下面に滑り止めのゴム板を切って貼って、作業終了。
『Happy Hacking Roof & Rest』略して『HHRR』の完成です!
HHKBのルーフとしてかぶせた状態。
パームレストとして使用する状態。
持ち運ぶときはブックバンドでこのように留めます。
写真のブックバンドは下記のもの。あつらえたようにぴったりサイズです。
記事執筆時点で実際に運用して1ヶ月以上経ちますが、非常に快適に使えてます。
なんといっても手首に当たる革の感触が実に気持ちいい。最初のうちだけ少し滑る感じがあったのですが、使っているとすぐになじみました。手首の当たるところだけ色が濃くなってきていて、早くも革ならではの経年変化が始まっています。
今後どのように育っていくのか、とても楽しみです!
最後に宣伝です。
HHRRの躯体を「DMM.make クリエイターズマーケット」で販売中です。高い高いとわめいていたHHRRがいくらなのか、どうぞご覧になってみてください。そしてもし万が一お気に召したら、工夫をこらした自分だけのオリジナルHHRRを作ってみてくださいね。
それではまた次の工作まで、ごきげんよう。