HHKBを静音化する・その1(Silence-X装着レビュー編)
HHKBの打鍵音は少々うるさいという指摘があります。音の大きさを改善したType-Sという静音化モデルもありますが、僕の使っているBluetoothタイプに静音化モデルは存在しません。そこで、これから数回にわけてHHKB-BTの静音化に取り組んでみたいと思います。
使用するのは、キーボード好きにはおなじみの海外通販サイト『KBDfans』で売っている『SilenceーX』というシリコンリングです。
PFUのサイトによると、Type-Sのキーはこのような構造になっています。
通常のモデルに緩衝材が追加され、その厚みの分だけストローク量が減っています(通常モデルは4mm)。
HHKB好き界隈では緩衝材を後付けする静音化がたくさん行われていて、歯科で使われる顎間(がくかん)リングや、ゴムのO-リングがよく使われています。
今回装着するSilence-Xはシリコン製。非常に薄いためストローク量への影響は最小限となる一方、高い静音効果を得られます。
販売サイトの商品ページはこちら。
Topre keyboard Silence- X (120pcs)
20ドル+送料5ドルほどだったと思います。
PayPalに登録していれば支払いはとても簡単で、注文から2~3週間で手元に届きました。
それがこちら。
大変見づらいですが、薄いプラシートにさらに薄いシリコンリングが10個ずつくっついています。
ゴム製O-リングよりかなり薄い代物で、印象としては「ゆで卵の薄皮」に限りなく近いですが、シリコンですからすぐにちぎれたりしないので大丈夫です。
この輪っかを、HHKBのキーを支えるプランジャというパーツに掛けていく、というのが今回の静音化作業になります。
まずは分解。キーキャップをすべて外します。
スペース、リターン、左シフトの三つのキーには裏にスタビライザーがついていて面倒そうだったので、Silence-Xはつけません。
写真では間違えて左シフトでなくCtrlを残してしまってます。あとで気付きました。
裏返してネジを3本はずします。スタンド足の横と電池ボックスのなかにネジ穴があります。ネジはこの3本だけで、スペースキー側はツメで止まっています。
ぱかっと開くとこういう感じです。
上面と下面は写真中央の白いコネクタで繋がっているので慎重に引き抜きます。戻すときのために、どのような状態で刺さっていたかちゃんと覚えておきましょう。はずれたら下面側は作業のじゃまにならないところに置いておきます。
小さい基盤をはずします。
ドライバーで差しているところとその反対側の計2ヶ所がネジ留めされているのではずします。あいだに細いプレートが挟まっているのでなくさないようにしましょう。
小さい基盤と下の大きな基盤をつなぐものは、ネジ2本のほかに白いコネクタと粘着テープがあります。コネクタはすぐ抜けますが、粘着テープは強力なので慎重に剥がして分離します。
小さい基盤を分離しました。
左から、白い粘着テープ、白いコネクタ、小さい基盤、あいだに挟まっていたプレートです。小さい基盤とプレート、ネジ類も脇へやっておきましょう。
ここからが本番。大きな基盤を留めている20本弱のネジをすべてはずしたら、手で押さえたままそーっと裏返します。
裏返せたら、天面を真上へそ~~っと持ち上げます。すると、灰色のラバーゴムパーツがずらっと並んで見えます。
このラバー(とそのなかのスプリング)が基盤からずれてしまうと、キーが効かなくなってしまいます。この状態のまま、邪魔にならない場所へ避難させておきましょう。
その際ですが、実は上の写真…例の白い粘着テープがテーブルに貼り付いてます。慌ててはいけません。べりっと力まかせに剥がしてラバーがずれちゃったら大変面倒なことになります。あくまでそっと剥がして、退避。同じ失敗をしないよう、置き場所を考えておきましょう。
各キーを支えるプランジャを天面からはずします。親指の爪で押し込むとパキッとはずれます。小さい黒い欠片が飛ぶかもしれませんが気にしないで大丈夫です。戻してもスカスカにならずちゃんとはまりますので。
プランジャがはずせたら、いよいよSilence-Xを掛けていきます。
右が装着前、左がSilence-Xを装着したプランジャです。薄いので見えづらいですが、こんな感じで60ほどのプランジャすべてに、ひとつひとつ、リングを掛けていきます。ピンセットは必須です。
コツがつかめるまでイライラしますが、慣れるとさくさく進みます。上の写真で1列ぶん、10分ちょっとで掛けられます。
Silence-Xを掛けたプランジャを天面に戻しました。
めんどくささに耐えてよくがんばった!!
あとは逆の手順で戻していくだけです。
さて、打鍵音に変化はあったのでしょうか?
結論から言いますとめちゃめちゃ変わりました。
HHKBのキーが音を立てるプロセスは細かく4つにわかれると思います。
1、キーに指を乗せた瞬間の音
2、キーを押し込んでいく途中の擦過音
3、キーが底を打った瞬間の音
4、指を離した瞬間、スプリングの力で戻ったキーが天面と当たる音
打鍵音としていちばん耳につく高い音が「4」ですが、Silence-Xはそれをかなり軽減してくれます。
カチャカチャ、パチパチと高く響く音が静まり、コトコト、スコスコという低い音に変わりました。
比較動画を作ってみたので参考にどうぞ。音量低くてすみません。
ヘッドフォンで聴いていただけると音質の変化がよりわかってもらえるかと思います。
静音化アイテム『Silence-X』は充分に効果アリでした。HHKBの音の大きさが気になる方はお試しになってはいかがでしょうか?
静音化シリーズはあと数回あります、それではまた。