HHKBを静音化する・その2(シリコンスプレー編)
Silence-Xを導入したことでHHKBの打鍵感が劇的に変化したわけですが、さらなる静音化としてシリコンスプレーを塗布する方法があるとのことでやってみました。
前回も書きましたが、キーが音を立てるプロセスは細かく次の4つになると思います。
1、キーに指を乗せた瞬間の音
2、キーを押し込んでいく途中の擦過音
3、キーが底を打った瞬間の音
4、指を離した瞬間、スプリングとラバーの力で戻ったキーが天面(ハウジング)と当たる音
前回行ったシリコンリングによる静音化は「4」への対策ですが、今回は上の図にある「プランジャ」と「ハウジング」の摩擦を軽減することで「1」「2」を改善する工夫になります。
準備したものはこれだけ。
紙コップ、綿棒、シリコンスプレー、キーキャップ引き抜き工具です。
シリコンスプレーは通常、窓のサッシやドアのヒンジなどが軋んだり動きが悪くなったときに使う潤滑剤です。写真のものはケイヨーデイツーのプライベートブランド製で180円程度と激安です。安すぎてちょっと心配でしたが問題ありませんでした。ほかにも種類はたくさんありますが、プラスチックを溶かさない無溶剤タイプのものを選びましょう。
施工は簡単です。シリコン液をスプレーから紙コップに適当に出しておき、キーキャップをすべてはずし、飛び出ているプランジャの外側に綿棒でくるくる塗りつけるだけ。
【施工前】
【施工後】
あまりよくわかりませんね。ホコリはよく見えますが…。
ともあれ、プランジャの周囲にくるくると塗りつけてシャコシャコと出し入れさせると、ハウジングにも液が回って動きが滑らかになります。プランジャの外側に塗ってください、内側では意味がありません。
さてキータッチや音に変化はあったのでしょうか?
結論を言いますと効果あります。というかシリコンリングより先にこちらを試すべきでした。
シリコンリングはキーキャップから指先が離れた後の音を低減させるものですが、今回のシリコン液塗布は指先がキーキャップを押し下げていく途中の摩擦を低減させるため、打鍵音以上にキータッチが変化します。言葉にするのは難しいのですが、タイプ感がしっとりと柔らかく、カドがとれた印象といいましょうか。
静音化を何も施していないHHKBユーザーの方はやってみてほしいのですが、ホームポジションに軽く指を置いたまま手首を小さく左右に振ってみてください。それだけでカシャカシャと音がすると思います。「1」の音ですね。プランジャとハウジングにわずかな隙間があるために生じる音ですが、シリコン液の塗布でこれが改善されます。「2」の摩擦音についても、音と同時に感触・タッチの改善を感じられます。
無施工(ノーマル)、Silence-X装着、シリコン液塗布の打鍵音比較動画を作りました。また音が小さくてすみません。
ヘッドフォンで聴いていただけると、細かな差異が感じられると思います。
シリコンスプレー液の塗布はHHKBの静音化として安価かつ分解不要で簡単なのでおすすめです。
それではまた。